当店が推奨する卵の保存方法について解説します。

当店が推奨する卵保存方法

当店が推奨するメダカの卵の保存方法を説明します。

まず、卵は到着したら卵保管用のケースに入れます。

上記のように500ccから1リットル程度の容器に水道水を1センチぐらいの水位で入れ、そこにメダカの卵を入れて保管します。

この際、メチレンブルーを濃いめに入れておくとカビ予防に効果的です。私は200~300ccにつき1滴以上かならず入れています。もっと濃くしても大丈夫です。当たり前ですが濃いほうが殺菌力が高いですし卵の孵化率も高いです。

よく「メチレンは10リットルにつき一滴」などと書かれていますがそれでは殺菌効果が全くありません。メチレンの規定量は10リットルで2ccなので、数滴垂らしたぐらいでは効果が期待できないです。場合は毎日水を換えてください。

また、白くなったりカビが生えた卵は取り除いてください。

孵化率をアップさせる工夫

孵化率をアップさせるためには水位をギリギリまで低くします。これは最近発見したことなのですが、メダカを保管している容器の水位を極限まで低くすると孵化率がアップしました。水換えなどは特にしていませんが水が減ってきたらその都度メチレンブルー水溶液を足しています。水位を深くするとなぜか腐る卵が増えました。卵の孵化率は品種によって大きく異なりますが、孵化率が低い品種については試してみるといいでしょう。

銅タワシの利用

さらに銅タワシをハサミで切って容器に入れることでカビを抑制できます。銅には殺菌効果があるためメチレンブルーと同時使用することによって孵化率を高めることができます。水槽の中に貝類などがいると死んでしまうので注意してください。針子を含めメダカの健康には影響ありません。

卵の温度について

卵は水温20度以上で管理しましょう。20度以下だと孵化率が下がります。また、水温は26度前後が最も孵化率が高いと言われているため、夏以外であればヒーターで保温するとよいでしょう。

上記の画像のように、ヒーターで水槽ごと温めて、卵容器を浮かべておけば、孵化した針子(産まれたてのメダカ)をスポイトで吸い取って水槽に直接移せるので便利です。

当店が行っているメダカの卵の管理方法・針子や稚魚の育成法・成魚の飼育法や病気の対処法などを紹介します。

メダカの卵管理・針子飼育に必要なもの

容器 5リットルから10リットル以上が理想
メチレンブルー 卵の消毒に必要(なくても可)
ヒーター 水温20度以下の季節は必要
エアポンプ 針子の生存率がアップする
針子用のエサ 赤ちゃんメダカを育てるために必要

到着から卵の保管容器に投入

 

メダカの卵が届いたら卵の保管容器に水を入れ、投入します。メダカの卵はプラスチック製の醤油のタレビンに入って送られてきます。

卵の保管容器は水が入ればどのようなものでも構いません。私は1リットルから2リットルぐらいの容器にメチレンブルーを濃いめに入れて保管しています。冬場や温度が20度以下の時期は、大きめの容器に浮かべてヒーターで温めています。保温用の容器は、孵化した針子(赤ちゃんメダカ)のことを考えると、10リットル以上の容量があるものをおすすめします。

また、メダカの卵はカビが生えやすいため必ず塩素を抜いていない水道水をそのまま使ってください。メダカの卵は水道水の塩素では絶対に死にません。カルキ抜きした水よりも水道水を直接入れたほうが卵にとっては適しています。

卵の殺菌について

 

卵は水を入れっぱなしにしていると腐ったりカビが生えたりします。このため、卵は必ず殺菌して防腐処理を行ってください。

一番手軽な殺菌方法は水道水の塩素です。塩素はすぐに抜けてしまうので、卵容器の水を毎日取り替えます。

薬品を用いた殺菌方法

殺菌で最も用いられているのがメチレンブルーという消毒液です。卵を送る際のタレビンの中の水にもメチレンブルーが混じっています。

ホームセンターに行くとメチレンブルーはたいてい売られているので簡単に手に入りますしアマゾンなどの通販でも簡単に入手できます。メチレンブルーを1リットルに付き1滴ぐらい入れている方が多いですが、多めに入れても大丈夫です。メチレンは1リットルにつき0.2ccが規定量なので、私はかなり濃い目に入れています。濃いめに入れたほうが卵の生存率が高いです。

卵の温度管理

メダカの卵は最低でも水温18度以上でないと孵化しないとされています。

20度以上でも卵は孵化しますが、理想は25度前後です。このため、秋冬はヒーターなどで水温を管理しましょう。光による刺激が必要という説もあるので、ライトをつけるか屋内であれば明るい場所に卵容器を置きましょう。

卵が孵化するまでの期間

メダカの卵は温度×日数が250になれば孵化すると言われています。たとえば、25度で管理すれば25×10日あれば250になるので10日で孵化します。20度であれば20×12.5で250になるので12.5日で孵化しますし、28度であれば9日で孵化します。

卵が孵化したら

針子の飼育容器は、最低でも10リットル以上あるとよいです。小さい容器で育てると水が汚れやすく生存率が悪化する可能性があります。ダイソーに行くと200円で売られている「スクエア収納ボックス大」が容量15リットルと大きく、値段も安いのでおすすめです。

針子飼育で一番大事なこと

針子飼育でいちばん大事なのは光です。日当たりのよい場所に容器をおいておくと成長スピードが早く死亡率も低いです。一方で暗い場所に置いておくといつまで経っても大きくなりませんし死亡率がかなり高くなります。一番良いのは屋外で飼育することですが、屋内でも窓際などに置いておけば大丈夫です。日当たりが悪いのであれば強めに照明を当てるなどして工夫しましょう。

ただ、直射日光が当たると水温が40度以上になってしまい煮魚になることがあります。これを避けるためにはすだれなどで日陰を作るか白い容器や透明な水槽で飼育すると温度が急上昇しにくいです。

針子の餌について

卵が孵化したら針子(メダカの赤ちゃん)が生まれてきます。

針子は小さいため大人のメダカが食べるエサが食べられません。このため、針子専用のエサを与えると生存率がアップします。

針子のエサは屋外であれば一日1から2回、屋内なら2回から3回程度与えるとよいでしょう。

針子の環境について

針子も卵と同じく20度以上ないと育ちません。できれば25度以上で育てたほうがうまくいくことが多いです針子は生後2週間ぐらいまでは非常にデリケートで死にやすいです。私は10から25リットル程度の水槽を窓際においています。ライトは日光が強く当たるのでつけていません。エアレーションは行っています。この環境で50匹程度の針子を収容しています。大きくなってきたら水槽や屋外のタライに移行します。

針子~稚魚の管理

針子が成長してくると、大きさにバラツキが出てきます。そのままにしておくと大きな針子がエサを独り占めしてしまい、小さな針子が死んでいきます。針子の数が急に減少する原因はほとんどが餓死であり、特に針子の大きさを揃えないと餓死リスクが高くなります。

大きな針子を別の容器に移して、同じ容器にいる針子の大きさがなるべく均等になるように保つのがたくさんメダカを増やすコツです。

メダカ成魚の飼育について

メダカが大きくなって大人の形になってきたら、成魚用の飼育容器を用意します。

飼育容器は後で詳しく説明しますが、水槽やバケツ、衣装ケースなど水が入るものであればなんでも構いません。発泡スチロールでもOKです。

日常管理について

エサを与えるのは飼育容器に導入し終わってから最低でも数時間以上は開けてください。メダカは飼育環境の変化でストレスを感じやすく、エサを導入直後に与えると消化不良を起こして突然死することがあります。

エサについて

日常管理はエサやりと水換えの2つです。エサは趣味で飼育するのであれば1日1回から2回で十分です。卵をたくさん取りたいのであれば最低3回から5回以上餌を与える必要があります。

メダカは胃がないので食料を蓄えておくことができず、何かを食べ続けていないと弱って死んでしまいます。このため、エサはたくさん与えたほうが病気になりづらいです。ですが、あまりにもエサをたくさん与えすぎると水が腐ってしまい、病気の原因になります。そこで、食べ残さないギリギリの量を与えるのがメダカ飼育のコツです。

エサやりのコツ

1回のエサやりにつき、数回に分けて粉エサを与えます。

具体的には、メダカが数十秒で食べ尽くす量のエサを入れ、全部食べ終わったらまたエサを追加します。これを3回ぐらい繰り返します。こうすることで食べ残しを出さずにメダカにたくさんエサを食べさせることができます。
※餌を与えすぎると水質が悪化して病気になります。一度に与える餌は少なめに与えてください。

繁殖させたいのであれば1日2回から3回以上与えると良いでしょう。

他にも私はうなぎ用の練りエサを与えています。練りエサはお腹が空いたときにメダカが好きなタイミングで食べられるため産卵数アップや稚魚の成長促進が期待できます。ただし水が汚れやすいため水換えの頻度が上がります。

水換えについて

メダカは体が小さく水を汚しにくいため、水換えはあまり頻繁に行わなくても大丈夫です。

ですが、水槽導入直後は水が出来上がっていないため、できれば1週間から2週間に1度、2分の1から3分の1程度水を換えるといいでしょう。

水換えの直後も消化不良を起こす可能性があるため、水換え直前から直後数時間はエサを与えるのは止めましょう。

メダカの飼育で準備するもの

メダカの飼育で準備するものについて簡単に解説します。

早見表

飼育用品 必須度
飼育容器 絶対に必須
絶対に必須
カルキ抜き あったほうがよい
エアポンプ・フィルター あったほうがよい(屋内)
ライト あったほうがよい(屋内)
バケツ あったほうがよい
あったほうがよい
水換え用ポンプ あったほうがよい

メダカの飼育容器について

メダカは丈夫な生き物なので、どのような飼育容器でも飼育できます。

ですが、初心者の場合、ある程度大きな容器で育てたほうが水が汚れにくく、メダカを楽に育てることができます。

メダカ10匹を飼育するのであれば、最低でも10リットル程度の容量があったほうがいいでしょう。

屋内飼育について

室内の場合は水槽で育てることをおすすめします。GEXやテトラなどの会社がフィルターつきのセットを販売しているためそれらを購入すればすぐにメダカを飼育することができます。

Amazonで水槽を購入する

水槽の他にもカブトムシを飼育するプラケースもおすすめです。プラケースは大サイズ以上がおすすめです。

また、ダイソーで売られているバケツや収納容器、衣装ケースなどでも大丈夫ですし、メダカが入っていた発泡スチロールでも飼育できます。

安く抑えたいのであれば、ダイソースクエア収納ボックスがおすすめです。200円で15リットル入るのでとてもコスパが高いです。

他にもNVボックスやタライ、トロ舟などで飼育している方が多いです。

メダカはどのような餌でもよく食べます。また、市販の餌はどれも高性能で水を汚しにくく、栄養バランスも優れています。このため、メダカを趣味で育てているのであればどんな製品を使っても構いません。

どこでも売っているエサの中で最も高性能なのは「メダカのエサ産卵繁殖用」です。これさえ使っていれば間違いないと思います。

私は「パラクリア」という寄生虫を除去してくれるエサを使っています。キョーリンのエサより高いですが、病気に感染しにくくなるためおすすめです。

パラクリアに加え、「テトラキリミン繁殖用」も使っています。このエサは産卵数が飛躍的にアップする最強のエサです。ただし水が激しく汚れるため初心者の方はキョーリンの金パケをおすすめします。

他にも「ハイグロウ」「メディメダカIGP」「おとひめ」「リッチ」などを使っている方が多いです。ちなみにプロの業者にはハイグロウが人気です。

 

他にあったほうがいい飼育用品

当セットに入っているもの(エサ・カルキ抜き)さえあればメダカを飼育できますが、他にも遭ったほうが良い飼育用品を紹介します。

エアポンプ・フィルター

屋内で飼育する時はエアポンプ・フィルターがあったほうが水が汚れにくくなります。私が使用しているのは水心というエアポンプで非常に音が静かです。

フィルタは現在スポンジフィルターを使っていますが、どのようなものでも大丈夫です。

 

フィルターとエアポンプのセットもあります。

エアストーンのみでも飼育可能です。屋外ではエアストーンで空気だけ送っている方が多いです。

これらの商品は楽天・アマゾンで買うと少し高いのでホームセンターなどで購入するのとあまり変わらないでしょう。

ライト

屋内飼育で日当たりが悪い時はライトを当てたほうがいいでしょう。こういった安価な製品でかまわないですが、室内で状態良く育てたいのであれば高出力のLEDライトを使用しましょう。点灯時間は12時間程度が理想です。

メダカは強い光を好みます。水槽にフタをすると光が弱まってしまい、メダカが弱ってしまうことがあるためフタを取って直に光を当ててください。

ライトはこちら

バケツ

水換えのときなどに必要となります。ダイソーに行けば100円で入手できます。

メダカを掬う網(ネット)です。メダカを移すときだけでなく、水底に溜まった糞を掃除する目的でも役立ちます。

メダカ用ネットはこちら

水換え用ポンプ

水換えの際に水を吸い出すポンプです。石油ストーブ用のポンプでも代用できますし、各社が便利な水換え用ポンプを販売しています。

 

メダカの置き場所について

屋内

屋内でメダカを置く場所は、ライトをつけられるのであればどこでもよいですが、ライトがない場合は日当たりのよい明るい場所にしてください。メダカは光が弱いと体調を崩しやすくなります。

屋外

屋外の場合、日光が当たるとメダカがよく育ちます。ですが、日当たりが良すぎると温度が高くなりすぎてしまいメダカが死んでしまいます。このため、真夏はスダレなどを容器の半分から三分の一程度かけておき、温度が高くなりすぎないように工夫しましょう。

屋外では直射日光で死ぬメダカが非常に多いので、趣味で育てるのなら日陰に置いておくのが良いと思います。

メダカの繁殖について

メダカが成長するとお尻に卵をぶら下げているのを観察することができます。そのままでは親に食べられてしまうため、産卵床などに産み付けられた卵を別の容器に取り出します。

卵の容器は毎日水を換えたりメチレンブルーを入れないと卵が腐ってしまいますので注意しましょう。

メダカの繁殖についてはこちらをお読みください。

 

新しいメダカを購入する際の導入法

新しく成魚のメダカを追加購入する際の導入方法について説明します。

まず、飼育容器に水を入れます。

次に、飼育容器にメダカが入った袋を浮かべます。メダカの袋の中の水と容器の水温が温度は±2度前後になったらメダカをゆっくりと入れます。

温度計がない方は30分から1時間袋を浮かべておき、指で温度を測ってみて大体同じ水温になったら袋を開封します。この際、袋からメダカを一気に入れると水質の変化でストレスを感じることがあるため、飼育容器の中で袋を開け、自然にメダカが出ていくのを待ちましょう。この時塩水浴+メチレンブルーによる薬浴を行うと病気が予防できます。私はメダカを購入してきたら必ず薬浴+塩浴をさせています。

 

メダカの病気について

メダカの病気の原因は様々ですが、寄生虫や細菌などの病原体によるものがほとんどです。

メダカの病気で多いのが「ヒレ閉じ」です。尾ひれや背びれをたたんで元気がなくなり、放っておくと弱って死に至ります。

他にも白点病や尾ぐされ病など様々な病気がありますが、初期段階であればどの病気でも治療法は同じです。

水換え

メダカの様子が変だと感じたらすぐに水換えをします。この時は半分から全ての水を換えます。この際にネットなどを使って糞を取り除くといいでしょう。薬浴、塩浴させる時は水草や砂など余計なものを水槽から全部出します。

塩浴

次に0.3%の塩をメダカが泳ぐ水槽に入れ、塩浴を行います。この際、病気のメダカだけを隔離して治療する方法もありますが、私は水槽に直接塩を投入します。

なぜなら、健康そうに見えるメダカも病気に感染している可能性があるからです。メダカだけを治療するのではなく水槽ごと治療したほうが再発も少ないです。

塩水の作り方

1リットルの水につき3グラムの塩をまぜると0.3%の塩水ができます。10リットルの水槽なら30グラム、60リットルなら180グラムです。

ダイソーなどで計量スプーンが売られているので利用するといいでしょう。しばらくしてメダカのヒレが開き始め、元気になれば治療完了です。もし元気が戻らなければ濃度を最大0.6-0.9%まで上げて様子を見ます。

ちなみに、普段から0.1-0.3%前後の塩水で飼育すると病気が発生しにくくなります。

薬浴

塩でも治らない場合や、白点病や水カビ病など明らかに病気であった場合は薬浴を行います。

多くの病気は塩とメチレンブルーorアグテンという薬を混ぜて使えば対応できます。病気の初期であれば、塩浴に加えてこれらの薬を使えば治療することができます。

飼育容器を消毒して病原体を根絶する必要があるため、まずは飼育容器の水を全部取り替えて容器を洗ってください。次にを混ぜて規定量投入します。数日後、症状が治らなければ水を半分交換してまた薬を入れます。

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