メダカの増やし方について、毎日数百以上の卵を採取して、数千匹以上のメダカを育てている私が効果的な繁殖方法について説明します。
メダカの増やし方のコツは、ステップごとに間違いをなくすこと
メダカ繁殖のステップ | よくある失敗 | 対策・予防法 |
産卵 | 卵を産まない 親魚が死んでしまう |
餌の量を増やす 水換えする 水温、日照時間を見直す |
卵の管理 | 卵がカビたり腐ってしまう | メチレンブルーを入れる 定期的に水を交換する 温度を25度前後に保つ |
針子飼育 | 針子が消えてしまう | ゾウリムシ、稚魚専用の餌などを使う、 容器を広いものにする エアレーションを導入する ミジンコなどの混入がないかチェックする 温度を25度前後に保つ ヤゴなどの異生物が混入していないかチェックする |
稚魚から若魚 | 稚魚の成長スピードが遅い 稚魚が消えてしまう |
餌・水換えの頻度を増やす 日光や光が当たるか、直射日光が当たりすぎていないかチェックする |
メダカの増やし方のコツは、ステップごとに間違いをなくすことです。ステップごとに間違いが一つでもあると、メダカの繁殖はうまくいきません。たとえば、産卵がうまく行っても卵の管理が悪ければ卵が孵化しないためメダカが増やせません。せっかく卵が孵化しても針子の育成が間違っているとおとなになるメダカが少なくなります。
私のようなベテランでも注意を怠ると卵が腐ってしまったり、容器内の針子がいつのまにか消えてしまったりすることがあるので、基本的なことを守れているか常に気を配る必要があります。
具体的には、なるべくメダカを広いスペースで飼育、よく観察してこまめに餌やりや水換えを行うことが重要です。
このように、メダカを増やしたいのであれば各ステップで失敗しないように理解することが必要ですし、繁殖がうまく行っていない方は各ステップごとに失敗している場所を確認しましょう。
メダカの増やし方でつまづきやすい箇所
つぎに、初心者や中級者がメダカの増やし方においてつまづきやすい箇所について説明します。
親魚の飼育から産卵
まず、買ってきたメダカがうまく産卵しないという場合、餌の量と質をチェックしてみてください。メダカは健康でさえあれば、水温と日照時間などの条件を満たしていれば必ず産卵します。
具体的には、水温は25度、室内であればライトを13時間以上つけていれば問題ありません。
ただ、餌が足りていないと産卵しないので、病気でないメダカが産卵しない場合は餌の量と回数を倍にしてみましょう。
卵の管理
次に、メダカの卵が孵化しないという悩みが多いです。まずメダカの卵を管理する容器は1リットルから2リットル程度のものがいいです。あまり小さすぎると水質が悪化しやすいです。また、卵はカビやすいので保管容器にはメチレンブルーを入れましょう。メチレンを入れても水を換えないと水質悪化で卵が駄目になることが多いので、最低でも3日に一回ぐらいは水を換えることをおすすめします。
針子育成
針子育成でネックになるのは餌の確保です。配合飼料を使うときは必ず針子用の餌を使いましょう。ホームセンターに行けばたくさん売られているので好きなものを選べばいいです。あと配合飼料に加えてゾウリムシを使うと生存率が高くなります。ただしゾウリムシだけだと栄養が足りないのでいつまで経っても成長しないため粉餌と併用しましょう。水質変化に弱いため生後一ヶ月ぐらいまで水換えはしなくて大丈夫です。
また、私の経験上、針子はエアレーションや水草を入れたり、底砂などを入れると生存率がアップします。
稚魚育成
稚魚も餓死に弱いため餌をこまめに与えましょう。栄養価の高い配合飼料やミジンコなどを与えると早く成長します。また、飼育容器もサイズを大きくしないといつまで経っても成長しません。60リットルタライなどで飼育すると成長スピードが早くなります。
また水換えも頻繁に行うと成長スピードが高くなります。
メダカの正しい繁殖方法について徹底解説!
メダカ飼育の醍醐味である「繁殖」。最初は数匹だったメダカが、自分の手で何十匹、何百匹にも増えていく過程は、飼育者にとって大きな喜びです。しかし、「挑戦してみたけどうまく増えない」「卵は産むけど稚魚が育たない」といった壁にぶつかる方も少なくありません。メダカを効率よく、そして健康的に増やすには、親メダカの繁殖準備から、卵の管理、そして孵化した稚魚の育成まで、それぞれの段階でいくつかの重要なポイントがあります。この記事では、初心者の方でも失敗しないメダカの増やし方を、具体的な手順に沿って徹底的に解説します。
ステップ1:親メダカの準備と産卵スイッチを入れる方法
メダカを増やすための最初のステップは、親メダカに産卵をしてもらうことです。そのためには、メダカの体に「子孫を残す季節が来た」と知らせる、産卵のスイッチを入れてあげる必要があります。
産卵の3大条件:水温・日照時間・栄養
メダカの産卵スイッチを入れるには、主に「水温」「日照時間」「栄養」の3つの条件を整えることが不可欠です。
一つ目の条件は**水温**です。メダカは水温が18℃を超えると繁殖を意識し始め、20℃以上で本格的に産卵を開始します。最も活発に産卵するのは25℃前後です。春になっても産卵が始まらない場合は、まだ水温が低い可能性があります。室内飼育ではヒーターを使ってこの水温を維持することで、季節を問わず産卵を促せます。
二つ目の条件は**日照時間**です。メダカは1日の日照時間が13時間を超えると繁殖モードに入ります。屋外飼育であれば春から夏にかけて自然とこの条件を満たしますが、室内飼育の場合は照明の点灯時間をタイマーなどで管理し、13時間から14時間程度確保してあげましょう。これにより、メダカの体内時計に繁殖の季節であることを認識させます。
三つ目の条件は**栄養**です。産卵はメダカにとって非常に体力を消耗する行為です。そのため、親メダカが十分に栄養を蓄えている必要があります。繁殖期には、普段与えている人工飼料に加えて、ミジンコやブラインシュリンプなどの生餌を与えると効果的です。高タンパクな餌を1日に2回から3回与え、産卵に備えて体力をつけさせてあげましょう。
繁殖ペアの選び方と飼育環境
産卵にはもちろん、健康なオスとメスのペアが必要です。オスメスの見分け方は、ヒレの形に注目します。オスは背ビレに切れ込みがあり、尻ビレが平行四辺形のように大きいのが特徴です。一方、メスは背ビレに切れ込みがなく、尻ビレも小さめです。確実にペアを作るためには、5匹から10匹程度を一緒に飼育するのが良いでしょう。また、ストレスのない環境も重要です。過密飼育を避け、1リットルあたり1匹よりもゆとりのある水量で飼育してあげましょう。
ステップ2:採卵と卵の管理で孵化率を上げるコツ
親メダカが産卵を始めたら、次は卵を無事に孵化させることが目標になります。ここで重要なのは、親メダカによる食卵と、卵に発生するカビを防ぐことです。
産卵床の設置と毎日の採卵
メダカは水草の根などに卵を産み付けます。そのため、ホテイアオイなどの浮草や、市販の人工産卵床を飼育容器に入れてあげましょう。メダカは早朝に産卵することが多く、メスはお腹に卵をぶら下げて泳ぎ、やがて産卵床に卵をこすりつけます。しかし、親メダカや他のメダカは、その卵を餌と間違えて食べてしまいます。これを防ぐため、産卵床に付着した卵は毎日回収し、別の容器に移す「採卵」という作業が不可欠です。産卵床ごと別の容器に移すのが最も簡単で、卵を傷つける心配もありません。
卵の管理方法:カビを防ぎ孵化を待つ
採卵した卵は、親とは別の小さな容器で管理します。この時、卵にとって最大の敵となるのが「水カビ」です。無精卵や弱った卵に発生したカビは、周りの健康な有精卵にも広がり、全滅させてしまうことがあります。カビを防ぐには、白く濁った無精卵を見つけ次第、ピンセットなどで取り除くことが重要です。また、毎日水を換えて清潔な状態を保つことや、ごく少量のメチレンブルー水溶液に浸けて殺菌するのも効果的です。
メダカの卵は、一般的に「積算温度250℃日」で孵化すると言われています。これは「水温 × 日数 = 250」という計算式で、例えば水温が25℃なら約10日、20℃なら約12日から13日で孵化することを意味します。卵の中で目が黒く見え始め、稚魚の姿が確認できるようになれば、孵化はもうすぐです。
ステップ3:稚魚(針子)の育成で生存率を高める方法
無事に稚魚が孵化しても、安心はできません。孵化後1週間ほどの「針子」と呼ばれる時期は、メダカの一生で最も死亡率が高い危険な期間です。この時期を乗り越えさせるための、特別なケアが必要です。
針子時代の餌やりと飼育環境
孵化したばかりの稚魚は、お腹に「ヨークサック」という栄養の袋を持っているため、2日から3日間は餌を食べる必要がありません。ヨークサックが吸収され、稚魚が泳ぎ始めたら餌やりを開始します。針子は口が非常に小さく、遊泳力も弱いため、専用の餌が必要です。パウダー状の人工飼料や、ゾウリムシなどの微生物を与えましょう。特にゾウリムシは常に水中を漂っているため、泳ぎの苦手な針子でも捕食しやすく、餓死を防ぐのに非常に有効です。また、この時期の稚魚はわずかな水流でも体力を奪われてしまうため、フィルターやエアレーションは設置せず、静かな環境で育てることが鉄則です。
成長に合わせた管理と親メダカとの合流
稚魚の飼育には、植物プランクトンが豊富な「グリーンウォーター」も非常に有効です。稚魚は24時間いつでも餌を食べられる状態になり、生存率が格段に上がります。
稚魚が成長してくると、大きさにばらつきが出てきます。大きな稚魚が小さな稚魚をいじめたり、食べてしまったりする「共食い」を防ぐため、大きさごとに容器を分ける「サイズ選別」を行いましょう。
体長が1.5cmを超え、親に食べられる心配がなくなったら、いよいよ親メダカのいる水槽へ合流させることができます。その際は、水質ショックを防ぐために必ず「水合わせ」を丁寧に行い、隠れ家となる水草を多めに入れてあげるとスムーズに馴染むことができます。
年間を通したメダカの増やし方:サイクルを意識する
メダカを効率的に増やすには、彼らの持つ1年間のバイオリズムを理解し、それに合わせた管理を行うことが大切です。
屋外飼育の年間サイクル
屋外飼育では、メダカは自然の季節変化と共に生活します。春から夏にかけては繁殖と成長のピークです。この時期にたくさん産卵させ、稚魚を大きく育てます。秋になると、冬眠に備えて栄養を蓄える時期に入ります。そして冬には活動が鈍り、水底でじっと冬を越します。この自然なサイクルを経験させることが、メダカを丈夫に育てることにも繋がります。
室内加温飼育のメリットとデメリット
ヒーターを使って水温を管理する室内飼育では、季節を問わず一年中メダカを繁殖させることが可能です。これは、特定の品種を早く増やしたい場合や、品種改良を行う上で大きなメリットとなります。しかし、その一方で、常に活動させることはメダカの寿命を縮める可能性があるというデメリットも指摘されています。繁殖回数を増やしたいのか、一匹一匹をより長く健康に育てたいのか、目的に合わせて飼育方法を選択すると良いでしょう。
まとめ
メダカを増やすためには、まず親メダカに産卵してもらうための「環境づくり」、次に卵をカビさせずに孵化させる「卵の管理」、そして最後に最も難しい「稚魚の育成」という、3つの大きなステップがあります。それぞれのステップで解説したポイントを一つ一つ丁寧に行うことで、初心者の方でもメダ*の繁殖を成功させ、たくさんの稚魚を育て上げることが可能です。小さな卵から命が生まれ、日に日に成長していく姿を観察できるのは、メダカ飼育の最大の喜びです。ぜひ、この記事を参考にして、メダカを増やす楽しさを体験してみてください。
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