メダカの水合わせについてプロが解説します。私はメダカの水合わせについておそらく累計で数千匹以上はやっていると思いますが、今までほとんど失敗したことがありません。コツを伝授しますのでぜひお読みください。
メダカの水合わせは適当でOK
最初に結論から言うと、メダカの水合わせは適当でOKです。温度さえ合っていればあとはメダカを新しい水槽に放り込んでも大丈夫です。
メダカは水質変化に強い生き物です。塩水でも海水の半分までの濃度に耐えられますし、pHも酸性からアルカリ性まで幅広く対応できます。
このため、同じ日本国内で育てられているメダカであれば、水温さえだいたい同じであればそれ以外の要素はあまり気にしなくて大丈夫です。私はヤフオクなどの通販を始め、何百回もメダカを購入していますが、水合わせに失敗して死んでしまったことはたぶん一度もないので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
温度は指で測る程度で大丈夫
また、水温ですが真冬などあまりにも水温に差がある状態でなければあまり気にしなくても大丈夫です。私は指で水温を測ってみて、メダカが入っている袋と新しい水の温度がだいたい同じになればメダカを新しい環境に解き放っています。
これはある著名なメダカ屋さんに教えてもらったのですが、メダカは5度前後であれば水温差は気にする必要はないそうです。真冬であればお湯などを利用して水温をできるだけ合わせるべきですが、それ以外の場合ではあまり気にしなくて大丈夫です。
高級なメダカを水合わせする場合
高級なメダカで絶対に水合わせに失敗したくない場合、私は丁寧な水合わせを行います。
私の場合はまず30分ぐらいメダカが入っている袋を新しい水に浮かべておきます。水温が同じぐらいになったら、袋に穴を開けて少しづつ水が混ざり合うようにしています。
容器に浮かべているのであれば、少しづつ新しい水と古い水を混ぜて水合わせしています。だいたい2回か3回ぐらい水を混ぜ合わせて水合わせしています。
今までこの水合わせのやり方でメダカが死んでしまったり、調子を崩してしまったことは一度もありません。私の中ではかなり丁寧なやり方ですが、この程度の手間をかけてあげればほとんどの場合で大丈夫だと思います。
もし水合わせしたのに死んでしまった場合は、水合わせのやり方が間違っているのではなく、おそらくメダカが病気だったり状態が悪かったのだと思います。もともと状態が悪ければ何をしても復活させることは難しいので、丁寧に水合わせする意味はあまりないといえるでしょう。
メダカの水合わせについて詳しく解説。
ですが、高級なメダカを購入した場合など、水合わせに失敗したくないと不安になっている方もいると思います。そんなふうに考えていた時期が私にもあったので、あなたの気持ちはよくわかります。
そのため、世間様一般に言われている、正しいメダカの水換えとやらを詳しく解説します。
メダカは丈夫で飼いやすい魚として知られていますが、新しい飼育環境に迎える際には「水合わせ」という非常に重要な作業が必要です。この工程を省略したり、不適切に行ったりすると、せっかく迎えたメダカが体調を崩し、最悪の場合は数日で死んでしまうこともあります。この記事では、メダカの生存率を格段に上げるための、水合わせの正しい知識と具体的な手順、注意点を初心者にも分かりやすく解説します。
メダカの水合わせとは?生存率を上げる基本の作業
なぜ水合わせが必要なのか?水質と水温のショック
水合わせとは、メダカが元々いた水の環境(購入したショップやブリーダーの飼育水)から、新しい飼育容器の水へと、水温と水質をゆっくりと慣らしていく作業のことです。魚は私たち人間と違い、常に水に囲まれて生きています。そのため、水温や水質(pHや硬度など)の急激な変化は、体に大きな負担をかけます。これを「ショック」と呼び、特に浸透圧調整に大きなエネルギーを消費させるため、メダカを著しく消耗させてしまいます。たとえ同じ地域の水道水を使っていても、飼育環境によって水質は微妙に異なるため、水合わせは必須の作業と言えます。
水合わせを怠った場合のリスク
もし水合わせをせずにメダカを新しい水槽に放してしまうと、急激な環境変化に耐えられず、様々な問題が発生します。代表的なリスクとしては、ショックによる突然死が挙げられます。また、すぐに死ななくても、ストレスで免疫力が低下し、白点病や水カビ病などの病気を発症しやすくなります。ヒレをたたんで元気がなくなったり、餌を食べなくなったりするのも、不適切な導入が原因であることが多いです。丈夫なメダカだからこそ、最初の導入を丁寧に行うことで、その後の健康な飼育につながります。
失敗しないメダカ水合わせの具体的な手順
メダカの水合わせは、大きく分けて「水温合わせ」と「水質合わせ」の2つのステップで行います。焦らず、時間をかけて丁寧に行うことが成功の鍵です。
手順1:水温を合わせる(30分から1時間)
最初に、購入してきたメダカが入ったビニール袋を開封せず、そのまま新しい飼育容器に浮かべます。この作業により、袋の中の水温と飼育容器の水温が同じになります。時間は30分から1時間程度が目安です。特に夏場や冬場など、屋外と室内の温度差が大きい季節は、しっかりと時間をかけてください。この水温合わせを怠ると、水温ショックでメダカに大きなダメージを与えてしまいます。
手順2:水質を合わせる(点滴法が最適)
水温合わせが終わったら、次に水質を合わせます。最も安全で確実な方法は「点滴法」です。まず、メダカと元の水を、袋からバケツやプラケースなどの別容器に移します。その後、新しい飼育容器からエアチューブなどを使い、サイフォンの原理で水を少しずつメダカのいる容器に垂らしていきます。エアチューブの途中に一方コックを取り付けると、滴下する水の量を1秒に1滴から2滴程度に調整できて便利です。この方法で1時間から2時間ほどかけて、元の水の2倍から3倍程度の量の新しい水を加えていきます。これにより、水質が緩やかに変化するため、メダカへの負担を最小限に抑えることができます。
点滴法が面倒でやってられない方へ
点滴法はとても面倒なのでやってられないです。高級な金魚や熱帯魚であれば点滴すべきですが、私の場合はメダカが入っている袋に穴を開けて、少しづつ水が混ざり合うようにしています。容器に浮かべているのであれば、少しづつ新しい水と古い水を混ぜて水合わせしています。だいたい2回か3回ぐらい水を混ぜ合わせて水合わせしています。
水合わせの時間と水量|状況別の目安
水合わせにかける時間や水量は、メダカの状態や輸送状況によって調整することが重要です。
基本的な時間と水量の目安
一般的な水合わせでは、水温合わせに30分から1時間、水質合わせ(点滴法)に1時間から2時間かけるのが理想的です。水質合わせでは、元の水量に対して2倍から3倍の新しい水をゆっくりと加えていくことを目標にします。例えば、元の水が1リットルなら、2リットルから3リットルの水を1時間以上かけて加えるイメージです。これにより、最終的に容器内の水はほとんど新しい飼育水に入れ替わり、メダカを水槽に移した際の環境変化がごくわずかになります。
遠方からの個体や弱っている場合
ネット通販などで遠方から輸送されてきた個体や、見た目が少し弱っているように見える個体の場合は、通常よりもさらに時間をかけて慎重に水合わせを行う必要があります。長時間の輸送で体力が落ちているため、環境変化に対する耐性が低くなっているからです。このような場合は、点滴法で3時間以上かけるなど、より緩やかに水合わせを進めると安心です。メダカの様子をよく観察しながら、ストレスがかかっていないか確認しつつ進めましょう。
水合わせ後の管理と注意点
水合わせが無事に終わっても、最初の1週間はメダカにとって非常に重要な期間です。慎重に観察し、適切に管理してあげましょう。
導入後の餌やりと観察
新しい環境に移した当日は、メダカがまだ緊張しているため餌を与えるのは控えましょう。消化不良の原因になることがあります。翌日以降、メダカが落ち着いて泳ぎ始めたら、ごく少量の餌を与えてみて、食べるかどうか様子を見ます。最初の数日は食欲がなくても心配しすぎる必要はありません。食べ残しが出ないように注意し、徐々に量を増やしていくのが基本です。
メダカが暴れる・動かない時の対処法
水合わせ中や導入後にメダカが容器の壁に沿って激しく泳ぎ回ったり、逆に水底でじっと動かなくなったりすることがあります。これは急な環境変化によるストレスのサインです。暴れる場合は、容器をタオルで覆うなどして暗くし、落ち着かせてあげましょう。じっとして動かない場合は、衰弱している可能性も考えられます。エアレーションで酸素を供給しつつ、静かに様子を見守ってください。
水合わせに役立つ便利グッズと豆知識
水合わせをより簡単かつ安全に行うためのグッズや、知っておくと役立つ知識をご紹介します。
点滴キットやエアレーションの活用
アクアリウムショップでは、エアチューブと一方コックがセットになった「水合わせ・水抜きキット」が販売されています。これを使えば、誰でも簡単に点滴法を実践できます。また、水合わせ中に容器内の酸素が不足するのを防ぐため、弱いエアレーションをしてあげるのも非常に効果的です。特に夏場の高水温時や、多くの個体を同時に水合わせする際には、酸欠対策が重要になります。
元の水は入れない方が良い理由
水合わせが終わったら、メダカだけを優しく網ですくい、新しい飼育容器に移します。このとき、水合わせに使った容器の古い水(元の飼育水)は、絶対に新しい飼育容器に入れないようにしましょう。元の水には、病原菌や、スネール(害になる貝)の卵などが含まれている可能性があるからです。これらを新しい水槽に持ち込んでしまうと、後々大きなトラブルの原因になるため、細心の注意が必要です。
まとめ
メダカの水合わせは、少し手間と時間がかかる作業ですが、メダカを健康に長く飼育するためには絶対に欠かせない重要なステップです。特に、「水温合わせ」と「水質合わせ(点滴法)」の2つのポイントを丁寧に行うことで、メダカが新しい環境に適応するのを大きく助けることができます。この記事で解説した手順と注意点を参考にして、大切なメダカを万全の状態で迎えてあげてください。丁寧な水合わせこそが、楽しいメダカ飼育の第一歩です。
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